アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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横河 健 - 建築とテリトリー
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東西アスファルト事業協同組合講演会

建築とテリトリー

横河 健KEN YOKOGAWA


このテリトリーという問題は、公式や定埋を使って論理的に説明できることがらではありません。だた、これは私だけが特別に感じていることではなく、むしろ誰もが本能的に感じ得ることですし、日常的に、無意識にかもしれませんが、感じていることなのです。動物のテリトリーを思い起こしてください。動物学者が、動物白身がもっている領域、あるいは動物同士がもっている領域、いわゆるなわばりについて言及しているのを、読んだり聞いたりしたことがあると思います。そういった動物のテリトリーと同じことを、自分のまわりでも感じたことがありませんか。

たとえば、ある人のお宅に何人かでおじやましたとします。居間に通され、ソファに座ることを勧められたとき、私たちは適当な間隔をとってソファに座ります。決して隅に肩寄せ合って座ったりはしません。招いた方も「どうぞ」などといいながらテープルにコーヒーカップを置いたりしますが、カップとカップをくっつけたりはせず、お客様の目の前に置きます。さらにいえばテーブルの端ギリギリのところに置いたりはせず、ある距離をとって置きます。こういうことは考えながらやっているのではなくて、本能的に、あるいは常識的に誰もが備えている感覚に従ってやっていることだと思うのです。逆にいえば、テリトリーに対する感覚がなくなってしまったら、日常生活が円滑にまわらなくなるでしょう。

Profile
略歴
1948
東京都に生まれる
1970
ワシントン州立大学交換留学生
1972
日本大学芸術学部卒業
1982
株式会社横河設計工房設立、現在に至る
フェルナンド・イゲーラス建築設計事務所(スペイン・マドリッド)
慶應義塾塾員
日本建築家協会教育研修委員長
日本大学研究所・教授
受賞
1989
八九年東京建築賞(日比谷公園派出所)
都市計画局長賞(日比谷公園派出所)
1999
日本建築学会作品賞(グラスハウス)
日本建築士会連合会奨励賞(平成ドミノ・堺)
アメリカ建築家協会ベネディクタス賞
特別賞(グラスハウス)
二十一世紀のソファ・デザインコンペ優秀賞(ソファ)
主な作品

「トンネル住居」 「警視庁日比谷公園派出所」 「COSMOS-都市住宅1990-」 「三菱鉛筆群馬工場/メカニカ」 「K2 FLAT」 「八王子ニュータウンJR駅前広場・タウンセンター」 「集合住宅システム/平成ドミノ・堺」 「ホワイトオフィス」 「グラスハウス」(岡山県C・T・O) 「キャンバス住居」 「メトロゲート」 「CESS/埼玉県環境科学国際センター」 「Seijo・6」 「グラス・ボックス」 「武蔵野市立0123はらっぱ」

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