アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

マークアップリンク
トップ
私の建築手法
槇 文彦 - 建築空間と物質性について
慶応義塾三田図書館・デンマーク大使館/YKKゲストハウス/図書室への階段室/慶應義塾日吉図書館 コア部分の十字路
2022
2021
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986

東西アスファルト事業協同組合講演会

建築空間と物質性について

槇 文彦FUMIHIKO MAKI


«前のページへ最初のページへ次のページへ»
慶応義塾三田図書館・デンマーク大使館/YKKゲストハウス/図書室への階段室/慶應義塾日吉図書館 コア部分の十字路
『慶応義塾三田図書館』『デンマーク大使館』
慶応義塾三田図書館
慶応義塾三田図書館
在日デンマーク大使館
在日デンマーク大使館

*一転しまして、これは同じタイルでもむしろ暖色系で、よりやわらかい空間をつくりたいというときに使われている色であり、手法でもあります。『慶応義塾三田図書館』と『デンマーク大使館』です。両方とも同じ時期に前後してできておりますが、空間としていちばんアンサンブルがいいのは、暖色系のタイルには暖色系の材料です。内部の仕上げはナラ材で組まれている木の格子です。それから奥にあります机、椅子も、エンドウプランニングと一緒に協力してつくった家具です。それから床もじゅうたんとか、石もトラバーチンを使っております。

したがって、ここら辺でおおよそ見ておわかりのように、そうした材料同士がひとつのアンサンブルをつくる。この中で白のマーブルなんか出すと違和感があるんですね。それからデンマーク大使館も、木枠が室内に使われておりまして、障子がらみの部分もあり、ここでもサロンとしての落着きが重要視されています。

YKKの二階の図書室へ行くところの階段室
YKKゲストハウス/図書室への階段室
YKKゲストハウス/図書室への階段室

*再びガラスブロックなんですが、今度は内側から見たガラスブロックでして、先ほどのYKKの二階の図書室へ行くところの階段室です。階段は螺旋状で、ここら辺の細い手すりはまたダイカーの手すりを思わせるようなディテールになっていますし、またガラスプロックは弗酸で処理してあって表面の白光性を強めています。普通のガラスブロックはちょっと青みがかっているので、私たちは、できるだけ白い色の感じを強めたいということで、ちょっとお金はかかるのですが、この方法を使う場合が多いのです。

慶応の日吉の図書館の中の十字路

*もうひとつは慶応の日吉の図書館の中の十字路です。ここではPタイルを市松に二色で使うことによりグラフィックな感じが強くしています。それから閲覧室の照明器具とか、椅子ですが、大体こういう場所では黒とか濃いエンジとか、そういう強い色を使っています。しかしガラスブロックを使うという発想から、あくまで空間をリードしているのはガラスブロックで、ほかのマテリアリティは何となしに決まってくるわけです。

慶應義塾日吉図書館/コア部分の十字路
慶應義塾日吉図書館/コア部分の十字路
慶應義塾日吉図書館/観覧室
慶應義塾日吉図書館/観覧室

«前のページへ最初のページへ次のページへ»