アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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私の建築手法
伊東豊雄 - もののもつ力
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2006 東西アスファルト事業協同組合講演会

もののもつ力

伊東豊雄TOYO ITO


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質疑応答
 
「台中メトロポリタン・オペラハウス」ですが、曲面にプラグ床を張ってしまうことで、上下の閑係がなくなってしまうのではないかと思いましたが、どのようにお考えでしょうか?
伊東

プラグ床を張らないと、水平な部分の延床面積が、要求されている延床面積の三パーセントしかなくなってしまいます。プラグ床を張っても上下に繋がっているところはたくさんあるので、十分連続感は保てるだろうと思っています。

 
最初に洞窟のイメージについてお話があって、「中野本町の家」の頃から洞窟のイメージが伊東先生の中で続いてることが分かりました。洞窟のイメージについては、当時から意識していたのでしょうか。
伊東

「中野本町の家」を30年前に設計していた時には、洞窟をデザインしているとも思っていませんし、地下空間のようなものをつくつているとも思っていませんでした。ただ、内部空間だけにこだわっていました。「中野本町の家」は設計を始めた時には、もっと普通の建築でした。最初、クライアントである私の姉は中庭を挟んでお互いに向かい側が見えるような建物が欲しいと言っていました。設計が進むにつれて、姉も私も、ひたすら閉じる方向に向かっていったのです。閉じることで何か美しい空間ができるのではないかと、お互いに歩み寄っていったのです。完成して多くの人が見にきた時に、「あの外部はなんだ」と言われて、私もはたと、外部に目が向きました。当時考えていたのはそこまでです。

内部だけでは建築は成り立たない。しかし、外形を持たない洞窟のようなところに建築の原点がある。空間、あるいは芸術が発生する、人が思考する原点が洞窟にある。それが建築になるためには、ある形式を持って、外部化される必要がある。パンテオンもそうなのです。20世紀のような均質な空間ではなく洞窟のような建築を成り立たせるには、どうしたらよいのかを、私は日々考えています。

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