アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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新居 千秋 - 建築の境界—文化運動としての建築
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東西アスファルト事業協同組合講演会

建築の境界—文化運動としての建築

新居 千秋CHIAKI ARAI


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ENVIRONMENT DESIGN(=環境デザイン)の視点

諸外国において、Environment design (Urban Architecture Landscape)、特にUrban design(都市デザイン)が発達しています。日本の建設省と同じ領域のコントロールを英国ではDOE(Department of Environment=環境庁)が行っています。それは建物をつくりコントロールするというよりも、むしろ環境をつくり、コントロールするという視点が明確だからです。これは日本では、デザインプロセスにおけるWorld Wide Planning(世界のデザイン計画)から、クラフトに至るまでの体系が認識されていないからです。国連レベルからアセスメント、環境共生を踏まえて、日本の経済活動や発達のために切り倒される森林などの問題を、国と国との間で協議することなどが、World Wide Planningです。National Planningとは国全体のデザインや植生の在り方、アセスメントなどの問題です。そしてRegional Planningは東北地方、九州といった地方レベルの問題です。

さらにCivic designは道路や地方の問題であり、そしてCity Planningは量的コントロール、行政の部分を取り扱うものです。現在の日本的問題は、City Planning=都市計画の学問である都市工学や都市計画=デザインだという風潮をつくってしまったことにあります。都市計画はデザインよりも都市コントロールの問題で、むしろデザインとは一線を画すジャンルで、デザインに関与しないのが諸外国の通例なのです。また日本では都市計画の段階で、アーバン・デザイナーや建築家を入れずにデザインしてしまうために、日本の都市がいつでも同じ金太郎飴になってしまうのです。 私たちの事務所はデザインの体系の中でEnvironment designという視点を持ち、都市計画から超高層、小さいものでは爪楊枝の包装紙、ワッペンに至るまでデザインしています。それは都市とは、とてもアノニマスなものであり、頭だけでは考えられないものであり、都市の計画をしている一方、日常の小物やstreetの身体的感覚や経験は不可欠だと思っているからです。

公共建築に対するアプローチ—調査設計ということ

私が最初にした仕事は、「プラン・フォー・横浜」という本づくりです。十八年ぐらい前のことですが、横浜の町の二十五カ所のアーバン・デザインをひとつの本に、横浜市の人とまとめました。これはニューヨークのシティ・プランニングの本などを参考にしてつくりました。次の仕事は新本牧の街づくりの道標というもので、新本牧の全体計画を描いて、ひとつひとつのエリアについて細かく設計して、横浜市の人たちと決めていきました。調査設計といいますが、こういう概念はあまり日本にはありません。ドイツなど日本以外の国では、何人もの建築家に長期間考えさせて、この事務所でよさそうだと思ったときに建てています。また、東京に地域と、地方の地域における公共建築のばらつきを、五年ほどかけて調査しました。顕著なのは、都内では五〇〇メートル以内に公共施設が集中していますが、地方では二キロ以上離れないとありません。これらの調査をもとに、その地域にどういう建物がふさわしいか、その町が活性化するかなど考えています。

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