東西アスファルト事業協同組合講演会
ストラクチュアとマテリアル
伊東 豊雄TOYO ITO
あなた方がなぜ建築をやっているのかと聞かれたらどう答えますか?僕は数年前までは快適な建築、心地よい建築をつくるためだと答えていましたが、現在は楽しい建築をつくりたいからだと答えるだろうと思います。
楽しい建築、僕にとってそれにはふたつの意味があります。ひとつは、自由であることが感じられるような建築です。建築の設計にかかわっている方はおわかりでしょうが、建築は不自由なもので、自分がこうしたいと思っていてもできないことばかりです。経済的なことや法規やクライアントの関係、社会的な状況の中であまりにも不可能なことが多い。不自由な状況の中で、少しでも自由を享受できるような建築をつくりたいという思いが、僕に建築をつくることを頑張らせるのです。もうひとつは、何かをいろいろな人と一緒につくること、つくることを共有できることです。今は建築をつくることに反対する人は多いのですが、本来、何かをつくることは人間にとっていちばんプリミティブな喜びであるはずです。そのことを私たちは思い出さないといけないと思います。そのふたつのことを実現するために、僕はとりあえず素材や構造の問題を重要なものだと思って、それを手がかりとして建築を考えているのです。具体的にそのことの意味を、最新のプロジェクトを含めてご紹介します。

■略歴
- 1941
- 長野県に生まれる
- 1965
- 東京大学工学部建築学科卒業
- 1965-69
- 菊竹清訓建築設計事務所
- 1971
- アーバンロボット(URBOT)設立
- 1979
- 事務所名を伊東豊雄建築設計事務所に改称
■主な作品と受賞
- 1975
- 黒の回帰
- 1976
- 中野本町の家
- 1983
- 花小金井の家
- 1984
- 笠間の家
- 第三回日本建築家協会新人賞
- 1986
- シルバーハット
- 日本建築学会賞作品賞
- サッポロビール北海道工場ゲストハウス
- 第三回村野藤吾賞
- 1991
- 八代市民博物館・未来の森ミュージアム
- 第三十三回毎日芸術賞
- BCS賞(建築業協会賞)
- 1993
- 下諏訪町立諏訪湖博物館
- 1994
- 養護老人ホーム八代市立保寿寮
- 1995
- BCS賞(建築業協会質)
- 1997
- 大館樹海ドーム
- 長岡リリックホール
- 芸術選奨文部大臣賞
- 第五十五回芸術院賞
- BCS賞(建築業協会賞)
- 1998
- 野津原町役場
- 大田区休養村とうぶ
- 1999
- 大社文化プレイス
- 2000
- 桜上水K邸
- 2001
- せんだいメディアテーク
- 日本建築学会賞作品賞
- BCS賞(建築業協会賞
- グッドデザイン大賞
- 2002
- ヴェネツィア・ビエンナーレ
- 金獅子賞
- ブリュージュ・パビリオン
- サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2002
- 2003
- 東雲キャナルコートCODAN 一街区・二街区
- 稲城W邸
- 2004
- まつもと市民芸術館