アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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私の建築手法
古谷誠章 - カルロ・スカルパ考
スカルパの仕事が示唆するもの
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2005 東西アスファルト事業協同組合講演会

カルロ・スカルパ考

古谷誠章NOBUAKI FURUYA


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スカルパの仕事が示唆するもの
パウル・クレーの展示室
パウル・クレーの展示室

1948年に会場構成をしたベネチア・ビエンナーレの「パウル・クレーの展示室」です。展覧会は終わってしまえばなくなりますので、これは写真でしか残っていない作品です。

ひと部屋の空間にクレーの絵を一枚一枚、析りたたみ屏風のようなパネルにはめ込んで立たせています。そのパネルはまるで勝手きままにあちこちを向いていますが、何かひとまとまりの気配・空間をつくっています。もちろんデザイン的に統一されていますが、まるでお湯の中に浸かっているかのような、バラバラの方向を向いているけれどひとまとまりでいるようなデザインです。そこにスカルパの原点があります。ひとつひとつの作品に固有の空間を与えて、それぞれの空間が連鎖して繋がっている。つまり、ひとつひとつの作品の個性を、統一したフレームに入れてしまうのではなくて、ひとつひとつに自立した空間を与えています。ルールで縛っているのではなく自由でいながら全体が繋がり合っています。

彼は建築の専門の大学を出ていなかったために資格もなく、不遇な30代を送りました。その頃、彼はベネチアグラスで有名なムラノ島にいて、もっぱらガラス器のデザインをして暮していました。そこで彼はものの物性や素材・材料の扱い方とそれらに関する感受性を養いました。彼がものにこだわった職人的・工芸的な分野に入っていくひとつの原因は、建築の空間をつくる前にプロダクトのデザインをしていたことです。

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