アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

マークアップリンク
トップ
私の建築手法
小嶋一浩 - 『集積回路型』の建築
エピソード2:「黒」と「白」
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986

2005 東西アスファルト事業協同組合講演会

『集積回路型』の建築

小嶋一浩KAZUHIRO KOJIMA


«前のページへ最初のページへ次のページへ»
エピソード2:「黒」と「白」

「宮城県迫桜高校」の平面を「黒」と「白」に塗り分けた図がありますが「黒」と「白」の塗り分けは学校だけではなくて、あらゆる建築の空間でもできます。

伊東豊雄さんは「せんだいメディアテーク」で空間をどうしたら「白」にできるか、つまり、いろいろなことが起こり得るような空間を考えられたのではないかと思います。これまでの図書館は図書館に行こうと思った人しか入っていくことができないものですが、「せんだいメディアテーク」では、ふらふらと入っていって気がついたら図書館のフロアにいるという感じです。伊東さんは「コンビニのように立ち寄れる図書館」という言い方をされていました。一般の公共建築と比べ利用者数がとても多い理由は、夜遅くまで開いているからということもありますが、それよりも、ここは○○をするための空間です、という「黒」の空間ではないからです。

実際、「せんだいメディアテーク」のライブラリーは図書館そのものなので、厳密な定義では「黒」以外の空間にはなり得ないのですが、本を読みたい人、借りたい人ではない人がたくさん入ってくることで空間の雰囲気が明らかに変わっています。同じようなことがSANAAの「金沢二十一世紀美術館」でも言えます。地上一層の円形で出入口が何ヵ所かにある建物には、中を通り抜ける近道のような廊下があるし、無料で入れる場所もあるので地元の人たちが頻繁にやってきます。石の基壇の上に鎮座している何かありがたい立派な美術館とはまったく違って、建物全体が「白」になっています。ここは高校ですから、さすがに「せんだいメディアテーク」や「金沢二十一世紀美術館」のようにはなりませんが、それでも今までの学校建築とは随分違うものになっていると思います。

«前のページへ最初のページへ次のページへ»