アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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鈴木 エドワード - 見える建築・見えない建築
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東西アスファルト事業協同組合講演会

見える建築・見えない建築

鈴木 エドワードEDWARD SUZUKI


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アナーキテクチャー
ニューヨークの個展
ニューヨークの個展

約3年ほど前、ニューヨークのインターナショナルデザインセンターというところで、アナーキテクチャーというタイトルの個展を開きました。そのときの会場風景からご覧に入れます。アナーキテクチャーの中にはいろいろな形、“遊(ゆう)”と呼んでおりますが、さまざまな形、パターンがあります。これは角砂糖、和紙を利用してライティングディスプレイしている、それらの形、遊びです。このレセプショニストの裏に飾ってあるカーペットは僕のデザインのものなんですが、ちょうど3年ぐらい前、伊東豊雄さんと北川原温さんと招待されて、あるカーペットメーカーのデザインを建築家3人がやりました。僕の場合、インテリアのデザインのディテールなどを写真化して拡大しています。この場合、後でご紹介するチャイナチャイナという骨董品屋の土壁の亀裂を描いています。左奥にありますのもカーペットですが、これはスタジオ撮影したシーツの皺をモチーフにしています。

これはMZA渋谷というブロードウェイミュージカル用の劇場プロジェクトです。

上野松坂屋
上野松坂屋

これらは現在、原宿のほうで進行しつつある商業ビルのファサードスタディレリーフです。左からこれまたシーツ、ファブリックなどの皺をモチーフに描いているもの。真中は先ほどスタジオ撮影したというスタジオのトイレの天井のペンキの剥がれをまったくそのまま借りて利用しています。3番目はブリーズ、そよ風をテーマにしたファサードスタディです。4番目は別のプロジェクトで雪国の美術館ということでボールト状の構造をつくりそれを土で覆い、人工的な丘をつくってみようという美術館のプロジェクトの模型スタディです。

これがアナーキテクチャーの代表的な作品ですが、上野松坂屋の370周年記念を祝って新館旧館を新しいファサードでリフレッシュしようと。ここでは新館と旧館の間に道路が走っていましていろんな法規制があり、なかなか新しい顔づくりで一体化するのが難しかったんですが、最終的にはこのように、当初一体化されていた建物を途中で壊して、それで結び付けたというパラドックス的な手段を利用してみました。イメージとしてはひよこが自分の殻を割って誕生するように、上野松坂屋も自分の古い殻を破って新たに登場すると。

オークラビル
オークラビル

これは東京新宿のオークラビルという商業施設です。アナーキテクチャーのやり方は非常に簡単かつ単純で、このようにシンプルなコンクリートの箱などを取り上げ、または伝統的な三角屋根の木造住宅などを取り上げて、そこにちょっとしたいたずら、捻りを加えると、ここでもコンクリートの箱に910ミリの全面グリッドを覆い、そういうキューブをあるコーナーから抉り取った、それだけのデザインです。

これは軽井沢のほうでデザインした、スーパーヴィラI。名付けて「蒼い影」という別荘です。これはアナーキテクチャーでもフルメタルでもないんですが、後で登場する見えない建築の走りとしてご紹介しておきたいと思います。これは3人お子さんがいらっしゃる家族のためにデザインして4,5案もっていったところ迷って、最終的に子供たちに選ばせたところ、スーパーマンみたいだっていうので、このS字型の管が面白いことからそれが選ばれたのですが、予算も工期も当然あって無責任な提案をしたと後悔したんですが、軽井沢という土地柄もあって非常に工法的に苦労した建物です。RCでやれば多分一番簡単だったんでしょうけれども予算もなかったですし、2×4も地元の業者さんは慣れてないということで最終的には在来工法でこのような円を描いたのですが、一生懸命図面を描いても模型をつくってもなかなかディテールが掴めないところがあって、結局工場で一部分、このS字のπを原寸模型でつくってディテールを把握した上で現場に入ってつくりあげました。

スーパーヴィラー
スーパーヴィラー

ここは円形のリビングを囲っているハーフミラーガラスですが、今までやらなかったディテールをテストしてみた結果なかなか巧くいったのでしばらくしてからスーパーヴィラIIという別荘でも南側を全面ガラスで覆うことになりました。これは落葉松の外壁を銀塗装3倍に薄めてしているものですが、こういう自然の中であえて自然色などを使わない理由、ここでもわざとコントラストを与えておいてお互いが映えるような方法でその環境に溶け込むようにしています。ここでは銀塗装で多少ハイテクっぽく木造住宅を扱って、こういう自然の森の中にUFOが迷い下りてきたようなイメージを狙ってみました。敷地が平坦でしたので、中でわざといろんな段差の遊びを設けています。たとえば、これは600ミリ下がりの居間、左手には600ミリ上がりのファミリーダイニングですとか。このように丸柱も最小限必要以上の数を入れて外の林の雰囲気を中でも再現しているわけです。色がよく出されていませんが、昔流行したプロコルハルムというバンドの「蒼い影」という名曲が小さいときから好きで、いつかそれをテーマ曲にしてカラーコーディネーションをやってみたいなということをここでは試みたわけです。シナベニヤの上に淡いパープルグレーの拭き取り塗装をしました。パープルグレーの塗料の中の原色などが時間帯によって、光線によって微妙に引き立つ。したがって2,3時間同じ場所に座って太陽が動くのを見ているだけでもけっこう楽しめるインテリアになりました。

これはティピカルなベッドルームです。

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