アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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私の建築手法
槇 文彦 - 近作を語る
シンガポール理工系専門学校キャンパス [1]
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2008 東西アスファルト事業協同組合講演会

近作を語る - 建築のグローバリゼーションの中で考えること

槇 文彦FUMIHIKO MAKI


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シンガポール理工系専門学校キャンパス [1]
「シンガポール理工系専門学校キャンパス」全景
「シンガポール理工系専門学校キャンパス」全景

1960年代、私は大きな集合体をどのようにつくっていくかについて、三つの型(コンポジショナル・フォーム、メガ・フォーム、グループ・フォーム)をしました。そのひとつの結果が「ヒルサイドテラス」(1969〜1992年)に見られるグループ・フォーム(群造形)のようなものです。また当時は丹下健三先生が「東京計画1960」のプロジェクトでメガ・ストラクチャーを公表され、話題を呼んでいました。集合体についてはこうした歴史的な流れがあり、われわれも機会があるごとに取り組んできたわけですが、2007年にできた「シンガポール理工系専門学校キャンパス」では、こうした集合体についてのいろいろな考え方をサイト・プランニングの段階からそのまま踏襲することができました。規模のわりに、設計が一年ちょっと、施工が三年と短く、「幕張メッセ」の時もそうでしたが、われわれの事務所でかなりの人数が総掛かりで取り組んだ建物です。

コンポジショナル・フォームメガ・フォームグループ・フォーム
集合体の形態。左からコンポジショナル・フォーム、メガ・フォーム、グループ・フォーム

ここはかつてイギリスのプリズン・キャンプ(監獄)があった場所です。敷地は20ヘクタール程度と、そう大きいキャンパスではありません。その中で学生が1万3000人、教員と研究員は4000人と、かなりハイ・デンシティ(高密度)なキャンパスです。

初期のコンセプトスケッチ
初期のコンセプトスケッチ

この大学はPBL(Problem-based learning)という非常に珍しい教育システムを実践しています。まず朝、先生がそれぞれの学生に一日の作業の課題を与え、それにしたがって学生は個人あるいはグループで研究します。そして夕方に、勉強した結果を先生へ提示するという、学生の自主性を重んじる教育方針を取っています。したがってクラスルームというのはあまり重視していません。

配置
配置
「ラーニング・ハブ」1階平面
「ラーニング・ハブ」1階平面

断面
断面

「慶應義塾湘南藤沢キャンパス(SFC)」
「慶應義塾湘南藤沢キャンパス(SFC)」

こうした人口密度や教育プログラムの性格を考えながら、このキャンパスを構成しました。「ラーニング・ハブ」と呼ばれる所はグループ・フォーム的であり、中央の二層のプレートからなる「アゴラ」と呼ばれる部分はメガ・スペースで、その周りに適宜施設を配置した、集合体のひとつのかたちです。「慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)」では中央にペデストリアン(歩行者)だけに開放された空間をつくりましたが、今回は「SFC」よりももう少し立体的なもの、という風に考えることもできると思います。

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