アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
「ノマディック美術館(2005年)」は写真家のグレゴリー・コルベールからの依頼で、自分専用の美術館をつくり、街から街、国から国へ移動させたいという注文でした。そこで、世界標準の規格があって世界中にある20フィート(約6メートル)の中古コンテナを構造に採用しました。ニューヨークではハドソン川に全長約200メートルの美術館をつくりました。コンテナは近郊のコンテナヤードから会期中の3カ月だけ借り、展覧会が終わったら返却。世界のどこでも近郊のコンテナヤードから借りるだけで再現できる、輸送不要だけど移動可能な美術館です。コンテナの使用数を最小限にするために市松模様で組み、角にある既存のジョイントでコンテナ同士を緊結させて安定化させています。中は直径75センチ、厚さ15ミリ、長さ10メートルの紙管で屋根を支え、グレゴリーの作品がその間に展示されました。
翌年にロサンゼルスのサンタモニカ・ピアで開催した際には、借りた駐車場があまり大きくなかったので、ギャラリーを約100メートルずつ2本に分けて平行に並べ、その2本のギャラリーの間に屋根を張って新たにシアタースペースをつくりました。そのため、コンテナの数はニューヨークと同じですが、面積は1.5倍になっています。2007年には東京のお台場で開催しました。各地でコンテナの色は異なるのですが、東京で借りたコンテナはいちばんカラフルでした。
ニューヨークにつくられた「ノマディック美術館」全景
内観