アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
1999年にトルコ北西部地震が起こり、現地で仮設住宅をつくりました。材料は地元の紙管工場やビール会社から寄付してもらいました。唯一、プラスチックのシートだけ日本のゼネコンから現場用のシートを寄付してもらって、屋根や机に使いました。非常に寒い地域なので、紙くずを紙管の中に詰めて壁の断熱性能を高めたのですが、これは現地の子どもたちが手伝ってくれました。
2001年にインド西部地震が起こり、仮設住宅をつくりに行きました。ほとんどの材料は地元で手に入るのですが、この地域はアルコールを口にしないということでビールケースがありませんでした。地元のインド人の建築家は「だったらコカ・コーラのケースを使ったらいい」と言っていたのですが、どうも真っ赤なコカ・コーラのケースは地元のコンテクストに合わないと感じました。それで、伝統的な土の土間と基礎をつくり、住宅と小学校として使ってもらいました。いまだにみなさんに大切にしてもらっていて、今は地元のクリニックとして使われているそうです。
2008年の北京オリンピックの2カ月前、中国で四川大地震が起こり8万人以上の方が亡くなりました。特に学校が雑な工事でつくられており大勢の子どもたちが犠牲になりました。すぐに仮設住宅をつくる準備をしたら、「外国人がそんなことをするな」と地元の役人に怒られました。ところが、現地の小学校の校長から仮設の教室の設計の依頼があり、学生を日本から連れていって地元の大学生と一緒に、地元で手に入る紙管と木のジョイントで、全体で500平方メートルの9室の教室を5週間でつくりました。これも現存しています。
トルコでつくった仮設住宅