アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
リヴィウの市長から市立病院の設計依頼もいただきました。理由は、リヴィウはウクライナの西部に位置する街で比較的安全な地域であること、また戦争で怪我した人たちがリヴィウの病院に押しかけてキャパオーバーしているからとのことでした。また、ウクライナには東ヨーロッパ最大のCLT(Cross Laminated Timber:直行集成材)の工場があって、戦争前まではロシアやカナダ、アメリカに輸出していましたが、それができなくなったので国内で使いたいという理由もあるそうでした。ところがウクライナでは日本と同じように、大きな規模のものは木でつくれないんですね。一方で、スイスの「タメディア新本社」でお見せしましたように、EUのレギュレーションではつくれるのです。ウクライナはこれからEUに加盟したい国なので、市長はウクライナの地元でできたCLTを使って、EUのレギュレーションでこの建物をつくるということを目指しています。四隅にコンクリートのコアとして非常階段が入っていますが、それ以外はすべてCLTでつくる25,000平方メートルの病院です。今年の夏から着工予定で、日本政府の支援を得るために明日もJICAで打ち合わせをします。資金調達をしながら病院の設計をしています。
リヴィウの市立病院イメージ
今は能登半島地震の復興で大忙しで、そのまま本設として使える2階建ての木造の仮設住宅をつくっています。これからは仮設住宅をつくるのはやめた方がよいと思っています。9坪の仮設住宅やプレハブ住宅は一戸建てるのに1,500万円ほどかかります。それを2年間で壊してゴミにして、また復興住宅をつくるのは非常に馬鹿げていると思っています。ですから、仮設住宅をつくるスピードで本設住宅をつくればよいということを能登の仮設住宅の計画で考えています。
支援活動で大忙しですけども、これからもみなさんに愛される建築をつくっていきたいと思います。もうすぐ愛知県豊田市に「豊田市博物館(2024年)」がオープンするので、オープンしたらぜひ見に行ってください。本日はありがとうございました。