アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
パリのセーヌ川の中州につくった「ラ・セーヌ・ミュジカル(2017年)」という音楽複合施設です。かつては自動車メーカーの工場があり、1990年代に閉鎖して空いた中州が敷地でした。この場所は複数の高速道路が集まる交通の結節点でもあるので、多くの人の目に留まるシンボリックな建物をつくることがコンペの要件でした。ただ、以前同じ敷地でピノー財団による現代美術館のコンペが開催され、安藤忠雄さんが優勝して工事まで進んでいたのですが、計画は中止になりました。ですから、僕の最初の仕事は安藤さんの工事で打たれた杭を抜くところから始まりました。そこで、再開発のマスタープランを担ったジャン・ヌーベルの考えを踏襲し、コンクリートのマッシブな建築の上に卵型の宝石のような木造のクラシック音楽ホールをつくりました。ホールは1,150席あり、天井は大小さまざまな直径の紙管を収めた六角形の木質フレームが波打つように敷き詰められています。ホールの外周に太陽光パネルが帆のような形で取り付けられていて、太陽光パネルは太陽を追尾して直面することで高い発電効率になっています。そのため、訪れる時間によって建物の形が変わり、裏側に影を落とすので冷房の効果を高めています。そういう形でシンボリックさを出しています。下には4,000人収容の多目的ホールと音楽学校が入っています。ホールのロビーには、光の当たり加減で赤から緑に色が変わるモザイクタイルを開発し、採用しました。
「ラ・セーヌ・ミュジカル」全景
クラシック音楽ホール
2階平面
1階平面
クラシック音楽ホール断面