アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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坂 茂 - 作品づくりと社会貢献の両立を目指して
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2023 東西アスファルト事業協同組合講演会

作品づくりと社会貢献の両立を目指して

坂 茂SHIGERU BAN


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韓国驪州のクラブハウス

「ポンピドー・センター・メス」の設計をしている時に、韓国のゴルフ場のクラブハウス「韓国驪州のクラブハウス(2010年)」の設計を頼まれました。僕はゴルフをやらないのでクラブハウスにどんな機能が入っているのか知りませんでしたが、子どもの頃に父に打ちっぱなしに連れて行かれたことを思い出し、ゴルフボールを乗せるティーの形をした木造柱を考えました。この柱は継ぎ部分などが三次元での加工が必要な形状をしていて、その加工ができるのはスイスとドイツだけでした。クライアントが「ポンピドー・センター・メス」の設計を気に入り、輸入してでも使いたいと言ってくれたので、部材を全部スイスで加工してから持ってきて、韓国で組み立てました。当時は日本は木造後進国で、こういう加工技術は日本にはありませんでした。

「韓国驪州のクラブハウス」夕暮れ時の北東側外観

「韓国驪州のクラブハウス」夕暮れ時の北東側外観

エントランスホール(写真左)とラウンジ(写真右)

エントランスホール(写真左)とラウンジ(写真右)

同じ敷地に、同じクライアントから依頼された宿泊・研修センター・会議ホールを備えた社員研修施設「ヘスリー・ハムレット(2020年)」も最近完成しました。そのひとつのメインの建物が大きな会議ホールです。ホールといっても窓のない箱なので、綺麗なランドスケープには置きたくなかったので、地下に計画しました。アトリウムのロビーは地下ということを感じさせないように、クラブハウスと同様の木の構造の上にガラスの屋根を張っています。これが地上レベルでは水盤になっていて、風で水が動くことで光と影がアトリウムに落ちてきます。木の構造体の上部にはステンレスのポットを置き、中に木が植わっています。地上のランドスケープの延長がそのまま水盤の上にも広がり、この木の構造体で支えられているという構成になっています。

「へスリー・ハムレット」配置

「へスリー・ハムレット」配置

アトリウムのロビー内観。地下の会議ホールへと繋がる

アトリウムのロビー内観
地下の会議ホールへと繋がる


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