アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
東日本大震災の約2週間前にニュージーランドのクライストチャーチで大地震が起こりました。当時、富山の留学生28人がビルの下敷きになって亡くなり大ニュースになりましたが、東日本大震災が発生してからは報道されなくなりました。地震で倒壊した大聖堂の牧師から「君はタダで仮設の教会を設計してくれるそうだね」というメールをいただき、「宗教行事だけではなくコミュニティのために使われるならやりますよ」と返事し、東北の支援でも大忙しでしたがニュージーランドへも通いました。まず初めに、倒壊した教会の平面や立面を分析し、出てきた黄金比などの幾何学のルールを使って新しい教会「紙のカテドラル(2013年)」を設計しました。
この教会は700人収容可能です。基礎は8個のコンテナでつくり、コンテナの内部は居室として使えます。そのうちの2個のコンテナは一般に開放しています。構造には現地工場でつくられた196本の紙管とLVL材を使っています。最後にひとつもめました。僕が「紙で十字架をつくりたい」と言ったら「そんなもの安っぽくてダメ」と言われてしまいました。そこで「日本では〝paper〟のことは『かみ』と言って、『神様』の意味があるんですよ」と言うと「それはよいね」と認めてくれました(笑)。今は気に入ってくださっています。
「紙のカテドラル」正面外観
ホワイエ
平面
断面詳細
断面詳細