アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
最後にウクライナ支援をご紹介します。2022年2月24日にロシアが軍事侵攻を開始して約500万人の難民が出ました。当時の難民の人たちの主要施設では被災時の日本と同じようにプライバシーのない避難生活をされていました。そこで、3月の初週からわれわれのボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)の学生たちとポーランドの知り合いの建築家と一緒に、ポーランドとウクライナ、スロバキア、ベルリン、パリで手に入る紙管と布で間仕切りをつくりました。また、ロシアが発電所を爆撃して暖を取れないということで、すごく軽量で料理もできるストーブを函館で見つけたので、190台買って現地に届けました。
リヴィウというウクライナの西部の街では、復興住宅の建設を進めています。ポーランドの学生と準備を進めているのですが、僕らは構造材のスタイロフォームに強化繊維プラスチックを塗ったパネルによる住宅システムを開発しました。機械も必要なく学生の手で部品をつくることができ、組み立ても1日で終わります。実はこれは特別な技術ではなく、昔からある屋根の防水技術です。サーフボードもスタイロフォームで形をつくり、グラスファイバーを巻き付け、レジンを塗って固めてつくるようです。ですから、技術的には新しい考え方ではないですが、住宅の部品が1日で簡単につくれます。自然災害でも戦争でもそうですが、街を復興しようとするとゼネコンや工務店は大忙しになって人件費も上がります。また、建築材料の値段も上がるわけで、そのような状況では一般的な建設材料ではないものでゼネコンに頼らずつくることが復興時に非常に有効になるだろうと考え、開発しています。
ウクライナの避難所でつくった間仕切り
リヴィウの復興住宅の建設の様子